革新の分野は異分野にあり
日経新聞7月21日朝刊の「経済教室」で早稲田大学准教授の入山 章栄氏がイノベーションについて、「知の探索」をキーワードに論旨を展開している。興味深い指摘がある。「新たな組み合わせには、なるべく自分から離れた知を幅広く探し、それと自分の知を組み合わせることが必要になる。これこそが知の探索だ。」具体的な例としてトヨタ自動車の生産システムの産みの親である大野耐一氏が米国のスーパーマーケットのモノの流れのヒントを得た話が紹介されている。知の新しい組み合わせと知の探索が企業イノベーションの鍵であることを踏まえて、氏は3つのポイントを上げている。
1.オープンイノベーション戦略
2.従業員や企業幹部の多様化
3.既存企業は新しい知の組み合わせによる環境変化に対応しにくい
以上の見解に私が敢えて一つ付け加えるとすると、それは論理的・分析的思考から直観的・身体的、有機的・総合的思考への転換である。恐らくイノベーションは思考についても革新を求めている。モノの考え方、感じ方を変えなければならない時代なのだ。