竹の生命戦略
竹は特異な植物だ。他の植物の生長と比較するとその特異さが際立ってくる。その特長のいくつかを挙げてみる。
1.植物は最上部の生長点から茎を伸ばし枝を出し、葉を増やしていく。生長点は1つ。それに対して竹は節毎に生長していく。節が全部で16あれば、16の節がそれぞれ一斉に生長する。従い生長スピードがものすごく早い。1日のうちに120cm伸びることもある。このような生長スピードは他の植物では考えられない。
2.地上のそれぞれの竹は地下では地下茎を四方八方に張り巡らし、竹林の地下は地下茎がネットワーク化していて、つながっている。地上の竹はそれぞれ1本毎に独立して
いるが、地下では一体化している。
3.花が咲くのは60年から100年に一回。花が咲くと、竹林は一斉に枯れてしまい、
次の世代の竹にバトンタッチされる。
植物は動物と異なり、移動することができない。まさに「置かれた場所で咲きなさい」だ。
従いその生命戦略は、どのような環境変化にも耐えて、生き延びる、ということになる。
さて竹の生命戦略をアナロジー化して、私達の仕事、さらにはビジネスモデルデザインに
組み込むことはできないか。特に中小企業、零細・自営業にとってこの竹の生命戦略は役
に立つにちがいない。