消費低迷への対応
消費税引き上げ後の消費の落ち込みが大きい。年率にして20%の減少となる。7月の家計消費は前年度同月比で実質5.9%の減少となった。減少幅が大きく、回復の兆しが見えてこないところから、補正予算や追加金融緩和策が必要との議論も出てきているようだが、問題は根深く、構造的な特徴を持っているように思われる。
1.円安及び消費増税の影響で消費者物価が3%を越えているが、賃金上昇がそれに追いついていない。当然買い控えとなる。
2.政府の成長戦略の実行が遅れ、その波及効果が出ていない。国民の間には実効性のある成長戦略が本当に実現されるのか、疑念が漂っている。
3.日本が既に成長経済から成熟経済に移行していると考えると、成熟経済期における成長とは何かを定義し直す必要があるが、それが明確になっていない
4.財政再建、財政規律の道筋が揺らぎ、緩んでいる現状から、国民の心理として、消費よりも貯蓄をして将来に備えるというマインドが根強くあり、お金が消費に回っていかない。
5.消費についても意識が変ってきている。お金を使ってモノを買うよりも、お金を使わないで、生活を楽しむライフスタイルが、特にシニアの間に広がりつつある。消費あるいは浪費イコールマネー経済だが、マネーで買えないものに人々の関心が向いつつある。企業の消費を通じた経済成長と国民の身の竹家計、落ち着いた成熟文化への志向との間の乖離が今後拡大していく可能性が大きい。「笛吹けど踊らず」という状況だ。
笛のメロディーは「ショウヒ、ショウヒ」だが国民は「ミノタケ、ホントウニヒツヨウナモノ、コトニシカツカワナイ」
私は国民の一人として、自分にできるところから、抵抗力のあるライフスタイルをつくり上げていきたいと思っている。例えば以下のような対応があるのではないか。
1.自分らしく、身の丈で生活する
2.自分で生産できるものを増やしていく。100%消費者から段階的に生産者としてのパーセントを増やしていく
3.経済成長、それはより多くのマネーの獲得を目指すことになるが、より多くの豊かな文化の習得を目指す成熟の方向に舵をきる
4.商品経済だけではなく非商品経済の部分を自分の周りに拡げていく
5.自分の資産、家計についてはしっかりしたポートフォリオをつくりあげる