屋上菜園エバンジェリスト
ITの業界でITエバンジェリストが活躍している。エバンジェリストとはもともとキリスト教の伝道者から来ている。キリストの福音を伝える人で、キリスト教ではパウロが有名だ。パウロは当時の小アジア(今のトルコ)とギリシャに3回伝道旅行を行い、最後はローマに行った。パウロの伝道旅行がなければキリスト教はイスラエルの地方宗教の域に留まり、世界宗教になることができなかったかもしれない。
さてマイクロソフトのITエバンジェリストの説明を読むと、エバンジェリストの意味を次のように説明している。
複雑化、難解化するITテクノロジーを分かりやすく伝える。それは啓蒙活動であり、「伝道」である。
ちょっと啓蒙という言葉にひっかかったので意味を調べてみると、「暗い人びとに正しい知識を与え、合理的な考え方をするように教え導くこと」とある。IT技術に暗い人びとにIT技術を分かりやすく、正しく教えるのが啓蒙家、というのは理解できるが、それを敢えて伝道者、エバンジェリストというのは、それなりの理由があるようだ。
エバンジェリストは
1.最新技術や製品を正しく位置づけてもらうために中長期的な技術トレンドも踏まえながら、IT技術者にそれらを分かりやすく伝道していく(語り伝えていく)
2.イベントセミナーでの講演。オンラインセミナーでの講師。執筆活動。
3.中立的意識を持つ。自社の技術・製品の欠点、弱点を隠さない。他社の利点を公平に評価する。
4.出張してIT技術者に最新技術のワークショップを無償で提供する。
難しいことを、正しく分かりやすく伝え、対話型で語り伝える。そのために出かけていく。
ここまで来て、私なりにIT伝道者という用語に得心が行った。
今回自分の名刺を印刷する際、肩書きに「屋上菜園エバンジェリスト」を加えた。そこには難しいこと(屋上で15cmの土で有機野菜を栽培すること)を正しく、分かりやすく伝え、話しながら一緒に作業する。そのために出かけていく。中立的意識を持ってそれぞれの会社の技術・製品の長所を活かしていく。・・・そんな思いで新しい肩書きを加えた次第だ。