地方移住のビジネスモデル

もう少し齢をとったら地方に移住して、半農半Xの、それも穏やかな日々を送りたいと思い始めている。地方移住が現実的問題となってきている。

野菜は完全自給できる畑のあるところだ。ということになると今住んでいる志木よりもっと田舎の方に移住する、ということになる。問題は3つある。一つは田舎に住んでも仕事は続けたいが、出かけるのに余り時間がかかるようであれば、難しい。家から電車か車で都心迄、約1時間半以内が希望だ。私だけでなく家内も仕事を続けたいと言っている。もう一つは移住先が終の棲家になるのなら、やはり病院と介護体制が整っているかどうかだ。高齢になればいろいろな病気も出てくる。いつか夫婦のどちらかが一人になった時、支えてくれるコミュニティがあるかどうかも条件となる。高齢者として願っていることが2つある。

まず一つは自分の持っているもの、身につけた知識、経験などを活用して地元のためにお役に立ちたいということである。どこまでできるか分からないがそういう気持だ。

もう一つは自然の中で、自然の一部として生きたいという願いだ。農作業も循環的は有機・自然栽培的なものになっていくことだろう。川の流れを眺め、森の中を歩く。その気持ち良さを最近部分的に味わう機会が増えた。そんなことに無上の喜びを感じる。齢を取るということは自然に還っていくことかもしれない。

増田寛也氏を座長とする日本創生会議は「高齢者の地方移住」を柱とする提言をまとめた。日本版CCRC構想だ。この提言の根底にあるのは東京圏は高齢化で2025年(10年後)には約13万人分の介護施設が不足するという見通しだ。逆に言えばその分を地方が受け皿になってほしい、ということのようだ。一方地方が求めているのは若い人達の移住で高齢者の移住ではないようだ。

高齢者が求めていることは、自然に親しむこととコミュニティによる共助ではないかと私は考えている。それがあれば心にハリを持って毎日を元気に過ごせる。政策的に都市でそれを実現する。それでも地方に行きたいという高齢者は地方に移住する。ただ高齢者にもそれぞれ人生設計がある。それを尊重した柔軟な日本版CCRCであってほしいと思う。