中年親爺のコンビ

屋上菜園ガーデン関係の施工、設置関係の作業はいつもMさんと一緒にやっている。Mさんは私より2歳年下、一級土木施工監理士だ。私は文科系だが、門前の小僧で、土木施工、建築施工についていろいろ考えるのが好きで、例えば屋上でブドウを栽培するために単管パイプを組んで柵をつくってブドウの枝を這わせたり、ニット・チューブを渦巻き状にして、硬質発泡スチロール(EPS)の上に乗せて屋上に芝生の小山をつくったり、マンションの階段脇のスロープにニット・チューブを3~4層重ねてビンカマジョールで緑化したり、そして今度はスイカの立体栽培のために角材で棚をつくったりとか・・・。アイデア先行の素人の設計を、Mさんは専門家の立場からチェックし、サポートしてくれる。それでもいずれのアイデアも、大袈裟に言えば、日本初なので、結果が出る迄はハラハラドキドキだ。大丈夫、と思っていても予想しないことが起こるかもしれない。

今のところ大体うまくいっているが、観察と改善を続けなければならないものもある。その一つは屋根緑化だ。既に実験と改善を重ねて3年目になる。今年の夏、屋根緑化の当社開発の施工方法の簡便性と室内の冷却効果が確認できれば、自信を持って商品化できる。また今年、天然芝生のレンタル事業を開始する。ユニット型(芝生とニット・チューブが一体になったもの)であれば運搬、設置、解体も簡単にできる。面積は30㎡前後を標準としている。用途はイベントなどで一定期間芝生を使いたいとか、本格的に芝生緑化をする前に試験的に芝生を仮設的に設置して効果などを確認したいというニーズにはうってつけだ。当社の芝生は立入歓迎の芝生なので、芝生の上で遊ぶこともできる。

今年も今迄世の中に無かったものを実現していきたい。私は「あったらいいな、そんなものができたら面白いな」という発想をする。それはあくまで素人のアイデアだが、それを専門的立場からチェックしてくれるのがMさんだ。素人に振り回されて大変だと思うが、Mさんのお陰で安心して、私は突飛なアイデアを考え続けている。しかしこれはある意味では悪い癖かもしれないと自戒の気持も時々湧いてくるが、それが私自身一番自由な時なので、致し方ない。人生、やはり自分が伸び伸びと自由に打ち込めることをするのが幸せなのかもしれない。まるで子供みたいだ。