プロトタイプとストーリーとシナリオ

ストーリーとシナリオは似ているようで実際は違う。特にビジネスモデルのデザインの分野ではその違いは鮮明となる。今回あるプロジェクトでストーリーを作った。それはそのビジネスモデルを導入したらどのようなことが起こるか、どのような変化が生まれるか、どのような価値を実際に提供できるか、そのイメージを企業視点から、顧客視点から想像してみた。目的は「それならできそうだ」「やるだけの価値がある」と、特に価値の提供者、つまり企業側の関係者に思ってもらうためだ。一方シナリオの方は個々の具体的シーンを設定して、時間のフローの中で提供しようとしている価値の要素が本当に有効に働くか、それに伴う課題は何かを明確にする。ストーリーがコンテクスト(文脈)をつくり、シナリオがそれを一つ一つのシーンとして具体化していく。ストーリーだけではビジネスモデルは実行的にはならない。イメージを具体的活動に転化させるのがシナリオとも言える。

今回のプロジェクトが実際に動き始めた時にもう少し詳しく説明するということで、具体論は次の機会としたい。