コンフリクトについて 

通常コンフリクトは「葛藤」と訳されて、個人内の心の揺れ動きを意味しているが、

英語の本来の意味は個人内、対人間、集団内、集団間も含めた広い意味を持っているとのことだ。個人内では両立しそうもない2つの願望、例えば早期退職するか、しないか。対人間では例えば夫VS妻、上司VS部下、集団内では例えば家族内(両親VS子ども)同一課内(正社員VSパート)、集団間では例えば行政側と住民側、民族・人種対立など。コンフリクトの定義は「自分の願望が達成されない、あるいは相手との利害の不一致を自分が感じている状況」(Rubin)。

以上は「交渉とミディエーション」鈴木 有香著 三修社から引用した。

さてそう考えてみると私達の周囲にはコンフリクトだらけであることが分かる。コンフリクトのない日常生活とか仕事というものはまず考えられない。これからは多様性の時代であり、願望も多様化している。願望と願望がぶつかり合うという事態も日常茶飯事になっている。ここで大事なことはコンフリクトを避けるということではなく、コンフリクトの肯定的側面に目を向けることであると言われる。コンフリクトを乗り越えることによって相手との信頼関係も生まれてくるし、自分自身も成長することができる。言うは易く行なうは難しい。しかし、多様化・成熟化社会で生きる私達はコンフリクトを賢明に乗り越える問題解決力を持たなければならないのだと思う。グローバルな世界を相手にする時はなお更であろう。事勿れ主義でなんとかなる時代ではなくなっていることを知るべきだろう。