アベノミクス・ビジネスモデルの危うさ

アベノミクスの抱える課題というより問題が鮮明になってきている。それを一言で表現すると現代の最大多数の既得権層である60歳以上の高齢者を重視し、将来世代である若者、中堅世代に対して資源、資金が十分に回っていない、ということである。これでは現在だけを考えて、将来を考えていない、と言われても仕方がないのではないか。安倍政権の政権基盤は既得権層だ。この層の圧倒的支持があれば長期安定政権も可能であり、改憲や安全保障関連法案も思いのまま通せる。しかし安倍政権の目玉である成長戦略は本来次世代のものであり、次世代に担ってもらわなければならない筋合のものである。若い世代がアベノミクスにそっぽを向いたら、成長戦略は瓦解してしまう。さらに厳しいのは世界市場での日本の経済だ。会社がIR(投資家向け広報)を重視するように国家も国の経済、成長戦略の現状について広報する時代になっている。つまり国家のIRだ。日本が世界の市場が見放されないように安倍首相には成長戦略実現のために是非リーダーシップを発揮してほしい。