「食べること」のビジネスモデル
NHK教育テレビで高齢化社会の食の重要性について取り上げていた。一つは青森県の「浅メシ食堂」。高齢者の健康を支える訪問医療活動をしている医師が、一人暮らしの高齢者の食事の貧しさに衝撃を受け、管理栄養士の奥さんと一緒に一日食堂を開設した。多くの高齢者が食堂に来て、嬉しそうに食事をしている様子を見て、常設の食堂を始めた。現在は老人ホームの施設に隣接した食堂になっている。4人の男女の高齢者がテーブルを囲み、話に花を咲かせながら、ランチを食べている。最高齢のおばあさんは95歳。食事の後、デザートにソフトクリームを食べ、コーヒーを楽しんでいる。味が薄めのならないようにしながら塩分をできるだけ少なくするために真空装置も使っている。このような映像を見るとやはりコミュニティの中心には「食」があることを実感する。一方浜松のケースは4世代家族でおばあさんは92歳。外出もままならず、とてもレストランで食事という訳にもいかない。食べるという行為が難しくなっているためだ。そこで浜松のフランスレストランのシェフご夫妻が肉も、野菜も全部ゼリー状にして食べやすくするレシピを開発。同じ料理を4世代家族がフランス料理のレストランでおばあさんの誕生日を祝い、会食。おばあさんはゼリー食だが皆と同じものを食べている。
食べることは幸せ、食べることで心が通い合い、支え合うことができる。美味しいのは勿論だが、幸せの味付けもする時代。そんな時代が来ていることがとてもうれしい。