魂に触れる歌声
以前のブログで桂銀淑について書いた。そしてYOU TUBEで彼女の歌を聞き、毎日のように聞いている。一通り聞いた結果、私にとってはやはり「すずめの涙」が一番、二番目は「ベッサメムーチョ」三番目は「つぐない」ということになる。そして「すずめの涙」も桂銀淑が中年になってからの歌がいい。YOU TUBEで1998年12月10日にアップされた「すずめの涙」を歌っている桂銀淑もいいが、その後の恐らく40歳代になって歌ったと思われる「すずめの涙」ではその歌唱力に圧倒された。黒いレースのドレスを着た桂銀淑。特に最後の「たかが人生」「あばよ」のハスキーな声には絶望感さえ表れている。彼女の魂を感じさせる声だ。既に覚せい剤を使っていた時期かもしれない。
さて今年の2月に作詞・作曲家の中村泰士氏が韓国を訪れて桂銀淑のレコーディングに立ち合っている。中村氏のブログにはこうある。「私のイメージした、いや!それ以上の桂銀淑さんの歌唱を録音することができました。『日本の皆様に、桂の魂を届けたい』そう云って唄いだした歌は、作品を提供した私の想いを遙かに超える歌声でした」
私も彼女の新しい歌を聞きたいと切に思っているし、楽しみにしている。復活した彼女の声は絶望を超えた魂そのものの声かもしれない。私たちもどんな絶望的状況にあっても復活できる。そして復活後の人生が本当の人生なのだと最近思わされている。そして本当の友も与えられる。だから人生は素晴らしい、どんなことがあっても生きる価値、輝きがある。それは自分のためだけではない。「すずめの涙」の中に「たかが人生」という歌詞がある。これは逆説的表現だ、と私は思う。人生に負けてはならない、人生は自分で創る。その熱い、不退転の決意が「たかが人生」なのではないだろうか。自分だけ飛べる青空があればいいのだ。