発電より節電
原発が停止してから、電力会社は火力発電にシフトしている。燃料は天然ガスなどを輸入するため円安もあり、大幅なコストアップを余儀なくされ、かつてのような利益を上げることが難しくなっている。一方発電量を引き上げる目的で再生エネルギーによる電力発電への取り組みが太陽光を中心として行なわれているが、太陽光偏重が買い取り価格も含め問題となってきている。私は電力については発電より節電に転換する時期に来ているのではないかと考えている。理由を3つほど挙げたい。
1.まず第一は今後産業用も家庭用も電気料金は値上げが避けられない。特に家庭では今迄と同じペースで電気を使えば支払う電気料金が増え続ける。家計への大きな圧迫要因となる。
2.家庭用電気製品は省電力タイプが増えてきている。特にLEDはその象徴的製品と言えるのではないだろうか。時代は省電力なのだ。
3.消費文明の中で戦後生活してきた私達消費者のライフスタイルが衣食住のそれぞれの分野で変化してきている。一言で言えば、自然志向だ。
私の会社では自然志向の住ということで、建物のグリーン化を提案している緑の力で、夏を涼しくしようとしている。例えば3階建ての建物に住んでいれば、屋上を緑化すること
によってエアコンの稼働率を大幅に下げることができる。夏場の家庭では一日の消費電力量の中でエアコンはほぼ50%を占めている。マンションの最上階の部屋は、夏場は暑くエアコンをフル稼働させることになる。屋上緑化による省電力の効果は大きいだろう。
自然の力で高温多湿が特徴となっている日本の夏を快適に過ごすことができれば、それこそスマートな節電と言えるのではないか。電力もその地域の風土に合わせ、使い方を工夫すれば良い。キーワードは自然の力を利用した節電だ。