屋上コミュニティ・エコ菜園
屋上菜園の特長は何だろうか、改めて問われた時、今迄私は以下のように答えてきた。究極の地産地消で、自分の建物の屋上で育てた安心・安全な野菜が食べられます、と。しかしこれではメリットを説明しているだけで、屋上菜園の本当の意味、社会的な価値にまで答が届いていないのではないか、と内心思っていた。何もそこまで小難しく考えることはない、と言われればそれまでなのだが、最近の世の中を背景にして、屋上菜園を「因数分解」すると、エコ活動としての意味と都市型コミュ二ティー形成という社会的価値があるのではないか、と考えるようになった。小さな面積でも「農作業」をしていると野菜だけではなく、雑草、土の中の小生物、ミツバチ、モンシロチョウ、コガネムシなどを目にしたり、触れたりする。こうしたものに直に触れて感じる感受性がエコ活動の原点になるような気がしてならない。テレビなどの映像を見ているだけでは、また本などの印刷物の間接的印象では感受性を育むことが難しい。また都市部で一人自分の建物の屋上とかベランダで一人野菜を育てている人もいるが、農作業は皆ですればもっと楽しくなる。一緒に作業しながら、言葉を交わしていれば、気心も知れ、親しくなっていく。いつの間にかコミュニティが生まれている。屋上菜園は現代の都市生活者にとって普段の生活の延長でつくることのできる気が楽なコミュニティだ。
ということで屋上菜園は「屋上コミュニティ・エコ菜園」とこれからは特長付けていきたいと思う。