ビジネスの極相と生態系
自然界では、単一の植物で繁殖することはほとんどない。何種類かの植物が群落を形成している。植生は、その土地の土壌と気候条件に適応した姿へと次々の遷移して、最終的には「極相」といって、それ以上遷移しない安定した植生になると言われている。注目すべきは極相では安定した生態系が出来上がっているので、病虫害の発生が問題にならない。極相の例としてフナと熊笹の群落があげられる。
さて自然界のこの極相という考え方をビジネスの世界にも適用できないだろうか。これからの時代のビジネスは「競争」を中心的概念にするよりも「共創」「共生」を中心的概念にする世界に遷移していくのではないだろうか。そして元請と下請けという上下関係ではなく、相互依存的な協力関係、すなわち生態系に変っていくのではないか。安易なアナロジー論を展開するつもりはないが、植物の生き方から、生存戦略から何かを学ぶことはできるはずだ。植物は10何億年の歴史を持っていることに改めて目を向けていきたい。