ここまで読んでくださり、ありがとうございます。3話まで書いてきて思うことがあります。今だからこそ言えることなのかもしれません。
まず第一に思うことはあの時の自主廃業がなかったら現在の自分はない、ということです。倒産していたら今住んでいる、家族の思い出が刻まれたわが家を失っていたことでしょう。また借金の返済のために四苦八苦していたと思います。夫婦、兄弟の人間関係にも深い傷が入り、どうしようもない状態が今も尾を引いていたかもしれません。
第二に事業が思うようにいかなくなった時、心掛けて頂きたいことがあります。私の場合、それは3つありました。
1. 自分の直感を大切にする 私が会社の自主廃業を取引銀行に伝えた時、支店長は「まだ大丈夫と思っていました」と言ってくださいました。社交辞令の部分もあったかと思いますが、実際に自主廃業の作業に入って痛感したのは、実際はまさにギリギリのタイミングだったということです。あと1ヶ月決断を伸ばしていたら信用不安が起こり、自主廃業は難しかったと思われます。 他人がまだ大丈夫と言っても、やはり自分の直感を優先すべきでしょう。 これを教訓にして、私は自分の直感を大切にし、早め早めの決断をすることを心掛けるようになりました。
2. 信頼できる専門家に相談する 私にとって大きかったのは会社の顧問弁護士のY先生そして八起会の野口会長と2人の税理士さんでした。 税理士のKさんにはそれ以来20年間、お世話になっています。特にKさんは自主廃業のために多くの専門的対応をして下さいました。Kさんにお会いしたのは顧問弁護士のY先生の紹介でした。
3.自分を勘定に入れない 人間ですから倒産したらどうなるか心配するのは当然ですが、大事なことは 役員、社員、株主のことを優先的に考える、ということです。役員、社員の人達のことが解決した後で自分のことを考える。社員の再就職先を決める、役員、社員の退職金を払うなどしてから自分の身の振り方を考えるという順序が大事です。結局私は社長としての退職金を受け取ることはできませんでしたが(既に資金は無くなっていました)負債、借金を背負うことはありませんでした。
現在の新型コロナウイルス問題で経営が厳しくなっている企業が数多くあることと思いますが、早めに決断して深手を負わないようにして頂きたいと願っています。
再起のチャンスは必ずあります !!
倒産ではなく自主廃業の道を是非選んでください。
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