シニアは好きな仕事でビジネスモデルを!

 

「ビジネスモデルイノベーション」第8章 事業創生モデルを推進するイノベーターシップを読んでいた時、思わず膝を打った個所がある。それはビジネスモデルのイノベーターの特徴について述べているところだ。イノベーターは一人ではできない難事業のビジネスモデルの実現、実践にあたって強力なチームをつくる。チームは暗黙知を共有し、新しい知を創発する場を創る。「このような集団としてのやり抜く実行力を醸成するイノベーターシップの源泉は、人の気持ちを察する人間理解と感謝の念に根差した人間力である。場の

形成の根幹には信頼関係が重要だからだ」(P294)一方次のような指摘もある。「ビジネスモデル・イノベーターの中核的能力は・・・高い志に基づいてより深い顧客価値創造と社会のために、紆余曲折を経ながらも人生を掛けて大胆にビジネスモデルを変えていく実践知と高い実行能力である。そのためには、多くの経験を積んで学習し、思いを育み、判断力、そして覚悟を鍛えなければならない。日本の仕事のあり方はそれらを鍛えるにふさわしいミクロベースだ。・・・しかし、逆にそれが現実をあるがままに受け入れてしまい、大きなビジョンを描く能力を弱めてしまった」(P304)私自身長いビジネスマンとして組織の中で仕事をしてきたが、いつも不完全燃焼感がつきまとっていた。大きなビジョンより今日のメシ、というわけだ。現在組織から自由になって初めて、大きなビジョンを本気になって持つことができるようになった。シニアは自分自身のために、そして若い人々、さらには社会、世界のために、身の回りにある矛盾、不合理に取り組み、新しいビジネスを生み出し、それこそビジネスマン人生を懸けて、集大成の想いで 取り組んでいったらどうだろうか。ビジネスモデルは机上の企画案ではない。その意味でもビジネスマン生活を生き抜いてきたビジネスマンの卒業生にビジネスモデルに挑戦して頂きたいと願うものだ。充分な資格要件を備えているからだ。