老人は夢を見る‐夢の解き明かし
旧約聖書には夢の解き明かしの話が出てくる。その中でも特にヨセフの夢の解き明かしが有名だ。ヨセフはエジプト王の夢を正しく解き明かしたことにより、宰相にまで登り詰めた。夢には予言的な要素がありそうだ。
さて最近よく夢を見る。朝起きた時、家内と最初に交わす言葉は、
「夢を見た」
「見たわよ」
「ぼくもだ」
私は最近毎晩のように夢を見る。日によっては2本立てになる。目を醒ましてフトンの中で見た夢の内容を思い出そうとするが、濃い霧が遠ざかっていくように、霧の断片しか思い出すことができない。が、なぜか苦味だけが残っている時がある。昔は見た夢の内容をほぼ思い出すことができたのに、老人になると夢についての記憶力も弱くなってくるのだろうか。夢の中では孤独だったり、追い詰められり、亡くなった人が出てくることもある。それが苦味となる。以前はそれを否定的に考えたりしたが、最近では肯定的に解釈するようにしている。家内は亡くなった人が出てくると「お迎えが近いのかしら」と言うが、私は亡くなった人がこの世に生きる私達に自分達の分まで頑張れよ、といって出てきてくれたんだよ、と解釈する。それでも夢の苦味が残る時は朝風呂に入って夢を洗い流すことにしている。さて今晩はどんな夢をみるかな?