もっとジョークを!その1
先日テレビで「ローマ法王の休日」を見た。この映画は最高のジョーク映画だと思った。特にバチカンを逃げ出し、街をさ迷っている法王が小さな教会で若い神父の説教に耳を傾けていた哀れな姿が印象的だった。このような映画を企画したプロデューサー達に敬意を表したい。恐らく日本ではこのような映画を企画することは出来ない相談だろう。ジョークに大きな価値を認める西洋社会の懐の深さに改めて恐れ入った次第。
そこで法王ジョークを一つ。
小説(作 後藤 喜良氏)
法王は、しばしば各界の専門家たちをヴァチカンに招いて懇談する。ある日著名な小説家たちを接見した法王は、大変大きな関心を抱いて尋ねた。
「偉大な才能をお持ちの方々。あなたがたはいったい、どういうふうに小説のストーリーを考えておられるのかな?」
すると敬虔なカトリック教徒の小説家が、うやうやしく答えた。
「はい。法王様。私は、聖書と法王様のお説教から、インスピレーションを与えられえおります。」
すると法王は、たいへん驚いて言った。
「何と! 私は皆さん方の小説から、説教のためのインスピレーションを与えられておるのじゃ!」
ブレジネフ書記長が居た時代のジョーク(ソ連のジョーク)
息子が田舎に住んでいる母親をモスクワに招いた。
「母さん、ぼくはいまここに住んでいるんだ」
ちょっと認知症気味の母親は目を丸くして言う。
「息子や、ここはまるで宮殿みたいだ。こんなところが今の時代にもあるなんてびっくらこいた」
息子は母親に耳打ちした。
「ぼくが宮殿みたいなところに住んでいるなんて田舎に戻ってから、誰にも言っちゃいけないよ」
母親は怪訝な顔をして息子に聞く。
「だってソ連共産党は人民の声に耳を傾ける、人民のための党なんだから。面倒なことは避けたいんだ」