ビジネスモデル・チャネル
ビジネスモデルジェネレーションでは顧客チャネルについて5つの機能を上げている。
①企業の製品やサービスの認知度を上げる
②企業の価値を評価してもらう
③製品やサービスを購入できるようにする
④顧客に価値提案を届ける
⑤購入後のカスタマーサービスを提供する
またチャネルについては自社チャネルとパートナーチャネルと2つある。それぞれのメリットを適切に統合したチャネルミックスが重要だ。現在私は弊社の商品とサービスのパートナーチャネルを検討している。商品の販売を軌道に乗せるためには上に挙げた5つの機能をバランス良く高めていくことが必要だ。自社で十分出来ない場合は、パートナーチャネルを選択肢に加えることを考えるべきだろう。
私は経営について、また新規事業について考える時、小倉昌男氏の「経営学」をバイブルのように読む。この本は小倉さんからサインを頂いた本だ。さて今回のテーマ、チャネルについて「経営学」の取次店の個所を読んだ。
[宅急便商品化計画]の1~9の8に取次店とある。
米屋、酒屋などど契約を結び、宅急便取次店の看板を出す。
取次店に持ち込んだ場合は、運賃を1個百円割引く。
これについて以下のように説明されている。
「しかし実際には集荷は手間とコストが大変かかるものだから、商店街などに取次店を設置して荷受けを手伝ってもらった。大体の目安として、お客様の自宅から百メートルも歩けば取次店が目に入るくらいの分布を想定し、商店を勧誘して歩いた。取次店には1個につき百円の手数料を払うと同時に、お客様にも持ち込み料として運賃を百円割引いた。つまりヤマト運輸は、集荷すれば五百円の運賃が入るが、取次店経由だと三百円しか入らない。・・・取次店手数料とお客様の割引料の合計二百円は、販売促進費用として考えれば、決して高くない、私はそう確信した」
商店を勧誘して歩いた、と小倉氏は簡単に書いているが、まだ海のものとも山のものともつかない宅急便の取次店を保守的な米屋、酒屋に引き受けてもらうのは容易なことではなかったろう。また500円の利益の40%を取次店、お客様に渡すというのは、これも簡単なことではない。販売促進費用として考えた小倉氏の胆力には頭が下がる。
ここ暫くは以上の小倉氏の言葉の私なりの咀嚼、消化に努めていきたい。