コミュニティビジネスの大変さについて

 

今回弟の引越しの件で、三島市の便利屋さんの手を借りることになった。Fさんは父親と一緒に便利屋をやっているが、一方で焙煎したコーヒーの販売もしている。元々はコーヒーの販売がメインの仕事だったが、安いマメが出回り初めてから、それだけではやっていかなくなったので、便利屋もやっているとのことだった。便利屋をやっているといろいろな出来事にぶつかる。「2日前には夜逃げした酒屋の片付けを頼まれました。店先に並んでいるものは簡単には処分できない。ということで仕入先を探さなければならないんです」また一緒にいた不動産会社の担当者も「私たちの仕事でも孤独死とか自殺とかの後片付けの仕事があります」と言っていた。地域に密着した仕事は文字通り地域の人々の生活と仕事の大変な局面にもまるごと関っていくことになる。単に商品を売る仕事とは別の苦労があるのだ。精神的にもタフでないと務まらない仕事かもしれない。お2人の話を聞きながらコミュニティビジネスについて私自身、やや抽象的に考えていたと反省せざるを得なかった。これからの高齢化社会、1人暮らしの住人が増えていく。また外国人も増えていくだろう。地域の状態が助け合いから「隣は何をする人ぞ」と無縁化が進んでいく。地域の人々が互いに助け合う「都市型コミュニティづくり」が求められるが、一方便利屋さんとか不動産会社の人達の仕事も、実態としてはますます増えていくのではないだろうか。コミュニティビジネスは社会と地域の問題、矛盾を支え、少しでも改善していく骨の折れる、しかし必要不可欠な、ソーシアルビジネスなのではないかと思う。利益中心のビジネス観の転換も求められることだろう。