時代を読む 波頭と時流

 

ビジネスモデルは時代に中で生まれ、新しい時代を切り開いていく。だからビジネスモデル・デザインとプロデュースに関わる者は時代を的確に読むことが求められる。時代を読むとはどういうことだろうか。簡単に言えば時代の特徴を把握して、今後どうなるかを予測することである。私はその手がかりとして「波頭と時流」をキーワードにしている。私の知人はこの波頭を捕まえることを日々の仕事としている。彼から定期的に波頭通信がメールで送られてくる。波頭の中にある共通性が認められることがある。波頭は時流の一部なのだから当然と言えば当然だろう。そして大事なことはやはり時流だ。時流は弁証法的に、螺旋的な構造をとるとは田坂広志の説で、私も同感だが、問題は波頭と時流の違いだ。

波頭は時流が部分的に現象化したものなので、事実として見たり、理解したりすることができる。それでも見落とす人は大勢いることだろう。しかし時流は見ることができない。

波頭をできるだけ多く見つけて、それらをベースに編集して「時流を見つけ、把握する」ということになる。つまり編集能力がモノを言う。編集能力を高めるためには、できるだけ多くのものを見て、いろいろな分野の人に会うことが大切だ。目的は時代を読む編集能力を磨き、差別化することだ。雑誌の編集長に倣い、時代という最高の読み物の編集長を目指したい。